



出産祝いの定番、木のおもちゃ。本当に喜ばれるの?
木のぬくもりと優しい手触りが魅力の木のおもちゃ。赤ちゃんの五感を刺激し成長を促すとして、出産祝いの定番として人気です。シンプルで飽きがこないデザインも魅力の一つですよね。
ですが、一方で「出産祝いで木のおもちゃをもらっても困る……。」という声も耳にします。一体なぜなのでしょうか?
今回は、出産祝いに木のおもちゃを贈る際のメリット・デメリット、そして喜ばれる木のおもちゃの選び方について、おもちゃのプロが詳しく解説していきます。
ベネッセ幼児教材公式アンバサダー/明治クラフトアンバサダー/Yahoo!をはじめとする各種メディアで執筆中/元教師
出産祝いで人気の木のおもちゃですが、実は「いらないかも……。」と感じているママも少なくありません。
なぜそう思うのか、その理由を詳しく解説していきます。
木のおもちゃは適度な重さがあることから対象年齢が6か月以上のものが多く、新生児には早すぎることがあります(新生児から遊べる木のモビールなどもありますが)。
特に積み木やプルトイなどは、1歳近くならないと遊べません。しまっておいて、月齢を過ぎても存在を忘れていた……というケースも(泣)。
親としては「すぐに使えるもののほうがありがたい」と思うことがあるようです。
木製のおもちゃはプラスチック製に比べておおらかな作り&大きなものが多く、収納スペースを取るものも。
特にアパートや収納が少ない家庭では「場所を取るものは増やしたくない」と考える人もいらっしゃいます。
人気の木のおもちゃ(グリムスのレインボーなど)は、すでに他の人からもらっていたり、親が自分で購入していたりする場合があります。
同じようなおもちゃが増えると「被っちゃった!」と困ることに。
木のおもちゃはナチュラルでおしゃれなイメージがありますが、デザインやブランドによっては好みが分かれます。
シンプルすぎると「地味」と思う人もいれば、カラフルすぎると「部屋のインテリアに合わない」と感じる人も。
日本のインテリアトレンドがくすみ系ということで、日本のメーカーはくすみ系や無彩色のものが多め。対して海外では赤青黄色といった基本カラーのパキッとした色が多い印象です(海外もくすみ増えましたが)。
くすみ系おもちゃ
カラフルなおもちゃ
また、上のお子さんがにぎやかなおもちゃで遊んでいる環境では、赤ちゃんも自然とそちらに目が向き、シンプルな木のおもちゃに興味を示さないというケースも考えられます。
赤ちゃんはまだ集中力が短いのもあって、派手な色や音で刺激的なおもちゃのほうが気を惹きつけやすいんですよね。
その分、刺激的なおもちゃは飽きやすいので、シンプルな木のおもちゃで遊びこめる方が経済的にもいいのですが……。
赤ちゃんはなんでも口に入れてしまうため、おもちゃの衛生面は特に気になるもの。
木のおもちゃの多くは水洗いが難しく、汚れたら拭く必要があり、適切な管理をしなければカビが生えてしまう可能性が!
赤ちゃんが口に入れる時期は、洗いやすいシリコン製やプラスチック製のほうが便利だと感じる親もいます。
また、出産祝いで贈られたおもちゃがすぐに使われないまま保管されている場合、カビが生えてしまうケースが多いんだそう。
密閉された箱や引き出しなどに長時間保管していると、湿気がこもりやすく、カビが生えやすい環境になるので注意!
木のおもちゃはプラスチック製のおもちゃに比べて重く硬いため、誤って投げたりぶつけたりした場合、思わぬケガにつながる可能性があります。
特に、赤ちゃんがお座りできるようになり自分の周辺に手を伸ばせるようになった時期や、歩き始めた後などは注意が必要。
まだ周囲の状況を十分に理解できていない赤ちゃんにとっては、リスクになり得ますね。
出産祝いでは、おむつなど「すぐに使えるもの」のほうが喜ばれることが多いです。
木のおもちゃは長く遊べる利点がありますが、「今必要なものをもらえるほうが助かる」と考える人も。
実は、出産祝いとして木のおもちゃを選ぶ方はとても多いんです。
以前Instagramで200名超に回答いただいたアンケートでも、8割くらいの方が「木のおもちゃをもらって嬉しい」と回答してくれました。
※「どちらでもない」の回答は、モノによる(高いと嬉しい、SNSで人気のものだと嬉しい)という声でした。
木のおもちゃの人気の秘密を、皆さんからいただいた声とともに探ってみましょう。
高価で自分ではなかなか手が出せないという理由から、木のおもちゃは特別感があり、出産祝いの贈り物として喜ばれています。
質の高いものを選べば「こだわりの贈り物」として印象に残りますね。
特に、ヨーロッパのブランド(ジーナ、ネフ、グリムスなど)や、日本の職人によるハンドメイドおもちゃは、特別な贈り物として喜ばれやすいです。
キャラクターものなど流行に左右されやすいおもちゃと違い、木のおもちゃはシンプルで飽きがこないデザインが多め。そのため、長く愛用することができます。
例えば積み木や棒通しなどは赤ちゃんの成長に合わせて異なる遊び方ができて、1歳・2歳になっても楽しめます。
シンプルなデザインだからこそ子どもの想像力を刺激し、創造性を育むことができるんですね。
▼1歳以上向けですが、さまざまな遊びができる棒通し「プラステン」「リングテン」はいつか遊んでみてほしいおもちゃです!
木のおもちゃは、手触りや重さ、香りが自然そのもの。プラスチックにはない温かみのある質感があり、赤ちゃんが触れることで触覚や感覚が発達します。
また、木特有の軽やかな音や、しっとりとした重さ、握り心地も心地よく、五感を刺激します。
余談ですが、ちゃんと「重さ」を感じられることってとても大切なんですよ。
いま人気のモンテッソーリ教育では、幼児期にさまざまな感覚を刺激することが重要視されています。木製のおもちゃはプラスチックよりも適度な重みがあり、手のひらで重さを感じることで「重量感覚」を育てることができるんですね。
特に、「重さと大きさが比例する」経験を積むことで、物の質感や体積を無意識のうちに理解するようになります。例えば、同じ大きさでも木とプラスチックのブロックの重さが違うことに気づくことで、材質の違いに興味を持つようになるというわけ。
\1歳から木のトレーでお片付け/
また、重さのあるおもちゃを握ることで、指や手首の筋肉を鍛えられます。これは運筆や食事動作(スプーンを持つなど)の準備としても重要です。
軽すぎるものではなく、しっかりと手応えのあるものを使うことは、ちゃんと意味があるんです。
プラスチックのおもちゃと違い、木のおもちゃは壊れにくく、長く使えるのが魅力。上の子から下の子へと受け継ぐこともでき、シンプルなデザインのものなら、何年たっても飽きずに使えます。
親子3代にわたって遊ばれているご家庭も。
メルカリなどを見ると、実家の整理などで数十年くらい前の木のおもちゃを出品されている方もいらっしゃいますが、いずれも木の風合いが残っていて見た目がそれほど劣化していないのがすごい!
たとえ傷がついても壊れにくく、削ったり磨いたりして補修できるメンテナンス性もいいところですよね。
親から子、孫へと受け継げる「一生もののおもちゃ」としての魅力があるよね~。
ただし、中華製の粗悪品も増えているのでご注意を。おすすめメーカーはこの後ご紹介します。
良質な木のおもちゃは、有害な塗料や化学物質を使わず、口に入れても安心な塗装が施されています。
プラスチックのように割れたり鋭利な部分ができたりするリスクが少ないのも安心ポイントです。
木のぬくもりを感じさせるデザインは、どんな部屋にもなじみやすく、インテリアとしても楽しめます。
親自身も「飾っておきたい」と思えるアイテムになります。
出産祝いに木のおもちゃを選ばれる方も多いですが、せっかく贈るなら喜んでもらいたいものですよね。
ベストは、贈りたい相手に相談することですが、それでも木のおもちゃを選ぶ際に気にしていただきたいポイントがいくつかあります。
出産祝いを贈るタイミングは、生後7日目に赤ちゃんに名前をつける「お七夜」から、生後1か月頃に赤ちゃんの健康を祈る「お宮参り」までの間が一般的。
ということで、赤ちゃんがすぐに使えるおもちゃを贈りたくなりますが、実は「少し先に使うおもちゃ」のほうが喜ばれることが多いです。
なぜなら、新生児向けのおもちゃは、すでに購入済みの可能性があるから。さらに、他の人からのプレゼントと被ることもあります。
そこでおすすめなのが、1歳以降に使えるおもちゃを選ぶことです。
例えば、おままごとセットや積み木。手で動かして遊べる車。
このようなおもちゃは、赤ちゃんの成長とともに必ず必要になるものなので、長く使ってもらえます。
もうすぐ小学生だけど、たくさん遊んでるよ~。
また、親が「次はどんなおもちゃを買おう?」と考える際の参考にもなるため、思った以上に喜ばれることが多いですよ。
木のおもちゃは高価なものが多く、プレゼントとして喜ばれやすい反面、予算オーバーになりやすいという点にも注意が必要です。
また、高額すぎる贈り物は、相手にお返しの負担を感じさせてしまうことも。もし気に入ったおもちゃが高額で予算を超えてしまうという場合は、複数人でお金を出し合って連名で贈るのも良い方法ですよ。
参考)出産祝いの相場
家族(娘、息子) | 3〜10万円 |
---|---|
兄弟姉妹 | 1〜3万円 |
親族 | 1〜3万円 |
友人 | 3,000~1万円 |
相場を参考に、予算内で無理のない範囲で選びましょう。
赤ちゃん用のおもちゃを選ぶ際は、安全性を最優先に考えましょう。
特に注意したいのが、以下の点。
例えば、ひもにビーズを通した木のおもちゃ(歯がためジュエリーなど)は、モノよって安全性に差が出やすいものの一つ。実際に首がしまってしまったり、誤飲してしまった事例もあります1。
最近はハンドメイドの木のおもちゃも人気ですが、安全基準をクリアしているか分からないものは避けたほうが無難です(安全とうたっていても、te○uやアリ○クの粗悪パーツを使っているケースも。Googleレンズ等画像検索するとすぐにわかるものです)。
贈り物として選ぶなら、個人のハンドメイドではなく、国内外の有名メーカーのものを選ぶのが安心ですよ。
最近のママたちはSNSの影響でインテリアにこだわる方も多く、特にくすみカラーやナチュラルな色合いのアイテムが人気ですよね。
せっかく贈るなら、相手が「かわいい!」と思ってくれるデザインのものを選ぶと、より喜ばれるはずです。
ナチュラル派のママには
カラフル好きのママ&知育に力を入れたいママには
カラフルなおもちゃは赤ちゃんの発達に良い影響を与えるため、当サイトとしては原色系のものがおすすめです。
ネットショップでおもちゃを選ぶと、実物のサイズ感が分かりにくく、「思ったより大きすぎた!」という失敗がよくありますよね……。
特に木のおもちゃは、プラスチック製よりも重量感があり、存在感も強いものが多いため、収納場所を考えて贈ることが大切です。
例えば、大きな乗り物系の木のおもちゃや、収納スペースを取る大型の積み木セットなどは、相手の状況を考えて選ぶのがよいでしょう。
世界に一つだけのプレゼントとして人気の「名入れ」。ですが必ずしも必要ではありません。贈る相手との関係性や、相手のご家族の考えなどを考慮して決めましょう。
名入れのおもちゃは、特別感が増してお祝いの気持ちが伝わる一方で、以下のようなデメリットもあります。
特に、おままごとセットや積み木など、長く使うおもちゃに名入れするかどうかは慎重に考えたほうがよいでしょう。
ちなみに、上の子が5歳のときにゲットしたベルビーアンファンのアクリル積み木に刻印してもらったのですが、子ども2人だったため“Happy”にしてもらいました。名前ではなくメッセージや単語はおすすめですよ。
ベルビーアンファンはアクリルがメインですが、木が混ざった積み木もありますし、はじめての積み木として遊びやすい4.5cmサイズもあります。詳しくは以下のレビュー記事をご覧ください。
出産祝いに木のおもちゃを選ぶなら、安全性が高く、信頼できるメーカーやブランドのものを選ぶことが大切です。
ここでは、出産祝いとして人気が高い、安全で高品質な木のおもちゃブランド&メーカーを厳選して紹介します。
職人の手仕事が光る、高品質な木のおもちゃたち。少々お値段は張りますが、見た目にもほっこりするものが多く、ママも癒されるかも♪
山のくじら舎となかよしライブラリーは、皇室ご愛用品にもなっています。
いずれも箱というか枠があって、中に入れたり出す動作を楽しめます。物の存在を理解したり、動作の因果関係を学んだり。
赤ちゃんの発達を意識した「遊びの仕組み」が考えられたもので見た目もかわいいのでおすすめしました。
我が家にはトイサブ!のクリエイティブ・チェストがありますが、上の子6歳下の子4歳の今でもかなり遊びます!
▼「クリエイティブ・チェスト」や他のトイサブ!おもちゃ木琴おもちゃの詳しいレビューは、以下の記事をご覧ください。
知育&遊び心を兼ね備えた木のおもちゃを作っている日本のおもちゃメーカーです。
ちなみに、日本の知育おもちゃメーカーは、4.5cm基尺の積み木がほとんど。積み木でたくさん遊ばせたいご家庭の場合は買い足しも検討されると思うのですが、実は世に出ている積み木は4cmか5cmサイズが一般的です。
例えば、4.5cm基尺の積み木に4cmや5cmの積み木を追加すると、高さや幅が微妙にズレてしまい、綺麗に積めないんですね。
とはいえ買い足しで同じものや色違いを複数揃えることもできますし、小さな大工さん(日本の積み木メーカー)の4.5cmを選ぶといった方法もありますよ。
贈る相手にこだわりがなさそうであれば、上で挙げた積み木は通販サイトでとても人気なので、検討してみてくださいね。
デザイン性&知育要素が魅力なのがヨーロッパの木のおもちゃブランド。木のおもちゃはドイツ発祥ということもあり、ヨーロッパ製は人気です。
グリムスのレインボーは3サイズありますが、一番大きな「大」が遊びやすくておすすめです。パステルカラーや夕日みたいなカラーなど、複数色からも選べます。下の写真はパステルです。
▼ジーナ社ベビーキューブは、愛子様もご愛用された積み木。きれいな音が鳴る楽しさもあるので、ぜひチェックしてみてください。
出産祝いに木のおもちゃを選ばれる方は多くいらっしゃいます。その理由は、シンプルで飽きがこないデザインや、自然素材の温もりなど、赤ちゃんにも大人にも喜ばれる魅力がたくさんあるからです。
木のおもちゃは、一生の思い出に残るプレゼントとして、贈る側も贈られる側も嬉しいものですね。
それでも贈る相手の好みや被りを気にする場合は、「少し先に使えるおもちゃ」を選ぶのがおすすめ。
1歳頃から遊べる積み木やままごとセットなどを選べば、すでに持っているおもちゃと重なる心配が少なく、長く楽しんでもらえますよ。
木のおもちゃ以外のおすすめおもちゃも紹介していますので、ぜひお役立てくださいね。
0歳~のおもちゃと絵本
▼赤ちゃん向けおもちゃサブスクもおすすめです。モノが増えずに知育ができますよ。しかも、1,000円以下で高級おもちゃが届くサービスもあります。
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