うろ覚えの絵本のタイトルがわからない!図書館司書が教える本の調べ方をご紹介
この記事では、うろ覚えの絵本の作者やタイトルを知る方法をまとめています。
かつて心を奪われた絵本のタイトル、思い出せますか?
あらすじは何となく記憶に残っているけれど、タイトルがどうしても思い浮かばない。そんな経験、一度や二度ではないはずです。
図書館の片隅でふと目に留まったその表紙、心に残っているけれど、名前が出てこない。そんな時、どうすれば良いのでしょう?
もう一度読みたいのに見つからない!
もう一度、あのページを開きたい。あの物語に再び触れたい。でも、どうやって探せばいいのか、途方に暮れてしまいますよね。
実はそんなとき、手掛かりになるかもしれない役立つ調べ方があるんです。内容やキャラクターから絵本を探し出す方法、知りたくありませんか?
とある化学メーカーの専門図書館で日々文献の調査を行う、調べもののプロである司書の私が教えちゃいます!
一番レスポンスが見込めるのは「この本、探しています!(本の探偵団)」です。
絵本のタイトルをインターネットで探す
インターネットは、家にいながら探せるのでお手軽です。
Googleなどの検索サイトで調べるのも一つの手段なのですが、範囲が広くなりすぎて目的の絵本を特定するのが難しいんですよね。
そこで頼りになるのが、専門的なサイト。
数ある便利なサイトの中から、特におすすめのものを厳選してご紹介します。
絵本の全文を対象にデータベースを探してくれるサイト
文章やあらすじを対象に、絵本のデータを探し出してくれるサイトがあります。
Googleブックス(Google Books)
リンク Google ブックス
Googleブックスは、Googleが提供する書籍の全文検索サービス。
図書館側が貸し出した蔵書をGoogleがスキャン・デジタル化し、データベースにしたものです。
書籍内の全文や付属のあらすじを対象に検索を行うことができます。
検索結果として表示された書籍の一部(著作権切れであれば全ページ)は、無料で閲覧できるものも。
とても強力な助っ人です。
試しに、ねずみ やまねこ 絵本と入力して検索してみました。
検索結果
探していたのは、こちらの本『あいたくなっちまったよ』。ばっちり1件目に出てきました。
すごい~!
本をクリックすることで詳細な情報を確認することができます。
あらすじから連想して膨大なデータベースを探してくれるサイト
あらすじを手掛かりに絵本のデータを探し出してくれるサイトがあります。
Webcat Plus
リンク Webcat Plus
Webcat Plusは、国立情報学研究所が運営する、本をはじめとした人物や作品の総合検索サービス。
Webcat Plusのすごいところは、文章から「連想検索」ができるところ。
何となく覚えているあらすじを入力するだけで、1000万冊以上の膨大な本の中から近い文章が載っている本を探し出してくれるんです。
こちらも、試しにねずみのお父さんがやまねこに食べられそうになる絵本と入力して検索してみました。
検索結果
探していた本は、『あいたくなっちまったよ』。やはり1件目に出てきました。
本をクリックすることで詳細な情報を確認することができます。
ただ、検索結果がとても多くなるので注意が必要。
1ページ目の結果になくてもう少し絞り込みたいこともありますよね。
そんなときは右のメニューをご覧ください。
関連度の高いキーワードを羅列した「連想ワード」や、関連度の高いWikipedia(ウィキペディア)の記事が表示されます。
ここに表示されたキーワードで検索を行うことで、探したい本に出会えるかもしれません。
キーワードで膨大なデータベースを探してくれるサイト
本を探したいときに司書がよく使うデータベースサイトがあります。
上で紹介したWebcat Plusもそうですが、国立国会図書館サーチというサイトもよく使われているんですよ。
国立国会図書館サーチ(NDL Search)
国立国会図書館サーチ(NDLサーチ)は、様々な機関の所蔵資料を横断検索してくれるサイト。
全国の公共・大学・専門図書館、公文書館、美術館や学術研究機関など、多岐に渡ります。
使い方を引用させていただきます。
1) NDLサーチの簡易検索の検索窓に検索したい言葉を入力します。複数の検索語をスペースで連結して検索できます(例:「犬 ひっこし」)。詳細検索では「あらすじ」の検索はできません。
2) 検索窓の下の「児童書」を押します。
3) 「タイトル」「著者」「要約・抄録」などに検索語を含む資料がヒットします。
4) あらすじがある場合、詳細情報画面の「要約・抄録」に表示されます。
キーワードとしてヒットするものを知っていれば使いやすいですよ。
あらすじは要約・抄録がきちんと登録されている書籍データのみしか検索できません。
そのため、検索しても結果に出てこない場合もあるところがネックです。
慣れたらかなり便利そう!
▼詳しい調べ方はこちらの記事も参考になさってくださいね。
参考絵本・児童書をあらすじ(内容解説)から検索するには | 調べ方案内 | 国立国会図書館
有志がタイトルを探してくれるサイト
有志の協力により運営されているサイトもあります。
なんと40年以上前の絵本がわかったりすることも!
昔読んだ本を心に取っておいてくれる人もいるので、ちょっと時間はかかりますが人力も侮れません。
この本、探しています!(本の探偵団)
本の探偵団という有志の方々が代わりに探してくれるサイトです。
見た目は古い掲示板(BBS)なのですが、まだまだ現役でびっくりしますよ!
それに人力でもすごい精度なので侮れません。
毎日頻繁に書き込みされているので、質問してみるといいかも♪
実は、先日私も質問して、なんと2時間以内に回答がありました!
▼私の質問▼
かこさとし『うつくしい絵』でした! さっそくAmazonで注文したのですが、当時の記憶がみるみるよみがえって感動したのを覚えています。同シリーズのもう一冊も懐かしくて買っちゃいました(笑)。
逆に「この本かな?」と思ったら、探偵になったつもりで回答してみてくださいね!
復刊ドットコム
復刊ドットコムは、絶版・品切れになった本をリクエスト投票で復刊・復刻してくれるサイトです。
主目的はその復刊・復刻なんですが、本のタイトルが思い出せないときにも助けてもらえますよ。
相談室のページで質問を投稿すれば有志が答えてくれるようになっています。
掲示板のような形式なので、気軽に質問することができます。
書き込みには、復刊ドットコムの会員登録が必要です。
Yahoo!知恵袋など、質問サイト
大手の質問サイトで質問してみるのもアリでしょう。
疑問に思っていることを質問したり、自分が知っていることに関する質問に答えてお互いに助け合うサービスです。
Yahoo!知恵袋のほかにも、教えて!gooなどがあります。
絵本の情報サイト
「もちはもち屋」という言葉もある通り、絵本のことなら絵本情報サイト!
絵本専門のサイトを使えば、かなりしっかり探すことができます。
探し物を見つけるまでに、別の気になる絵本も見つかるかも?
絵本ナビ
リンク 絵本ナビ
絵本ナビは、絵本の情報が検索できてためし読みもできる、絵本の総合情報サイト。
詳細検索のページ では、キーワードやテーマなどさまざまな角度から絵本を探せます。
- 一部のページを何度でもためし読みできる作品(約9,000冊)
- すべてのページを1度だけためし読みできる作品(約2,000冊)
がありますので、検索をしたうえで実際の中身をためし読みできちゃいます。
その場で確認できるから便利ね!
こどもの本 on the Web
こどもの本 on the Webは、児童書の普及を目指して活動している日本児童図書出版協会が運営しているサイト。
本を見つけるのに役立つのは、「さがしています。こんな本」というコーナーです。
- 地図の本
- 雪と氷の本
- 音楽の本
など、テーマごとに絵本や児童書が紹介されています。
関連しているテーマを見つけたら、その中にお探しの絵本が見つかるかも!
右側にある検索欄で検索もできますが、動作が重いのが難点です。
絵本のタイトルを図書館で司書にたずねる
図書館は単に資料を借りられるだけの場所ではありません。
司書はいわば情報のエキスパート。
窓口では調べ物をしたい利用者を支援する「レファレンス・サービス」を行っています。
あまり有名ではないのですが、どこの図書館でも行っていますよ!
▼うろ覚えのあらすじで司書に本を探してもらったというツイートです。
司書さんってすごいな〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!って思った実録漫画です。 pic.twitter.com/MnTVBHxcOg
— 高鳥未唯 (@tkdrme1024) 2018年12月18日
ちょっとのことから見つけられるなんて、探偵みたい!
いつもこんなにすんなり見つかるわけではないかもしれませんが、しっかりリサーチしてくれますよ。
本の貸し借りくらいしか接する機会がないという方も、一度声を掛けてみてくださいね。
図書館で司書に聞く場合に手掛かりになる情報
ちなみに、こんな情報があると司書的には助かります!
- 本の大きさや形、デザイン
- あらすじ
結末だけでなく、特に印象に残っているページもあったら教えてください。 - 作者、画家の名前
- いつごろ読んだか
絵本のタイトルがわからないときは、色々試してみよう
以上、司書が教える本のラクラク発見術でした。
本を探すときは、こうしたテクニックを利用して探してみてください。
このほかにも色々な手段はありますが、意外とその辺の人に聞いてみても話が弾んで面白いかも。
絵本を見つける、と言っても色々な方法が考えられます。
色々試して見つけ出してみてくださいね。
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