構成遊びとは?具体例や身につく力、ねらいを詳しく解説
この記事では、構成遊びの具体例や身につく力、ねらいを詳しく解説しています。
構成遊びとは、丸や三角、四角などを使って、モノの形を作って遊ぶこと。
形作りをとおして、形のちがいを認識したり、想像力や器用さをアップさせるねらいがあります。
今回はおうちにあるもので簡単にできる方法も考えてみました♪
アップサイクルでSDGsを学ぶ機会にもなりますし、おうち遊びのネタとしてもぜひ参考になさってくださいね。
構成遊びとはどんなもの?
構成遊びとは、物や素材を組み合わせたり積み重ねたりして形や構造を作り上げる遊びのことを指します。
バラバラのパーツを組み合わせて何かを作り出す、という点がポイント!
この遊びは幼児期の発達において重要な遊びの一つであり、さまざまな年齢や発達段階に応じて楽しむことができます。
遊び方による分類
構成遊びは、遊び方や目的によっていくつかの分類ができます。
- 立体構成
-
積み木やブロックなど、立体的に使える素材を使って空間的に構成する遊びです。
- 平面構成
-
折り紙や画用紙、おはじきなど、平面的な素材を使って構成する遊びです。
パズルは構成遊び?
構成遊びとよく混同される遊びに「パズル」があります。
パズルは決まった形にピースをはめ込んで完成させる遊びで、組み合わせて何かを作り出すという点では構成遊びと言えます。
ですが構成遊びは完成形が決まっておらず、子どもたちの自由な発想で展開していく点が特徴ということで、パズルは含まれないと考える意見もあるようです。
構成遊びの具体例
構成遊びの具体例について、さらに詳しく解説しますね。
先ほどまでも大まかな例を挙げましたが、ここでは年齢や発達段階、遊び方による分類なども含めて、より具体的な例を紹介していきます。
- 積み木
- 知育ブロック
- マグネット
- おはじき
- 粘土
- 折り紙
- 自然物(石、枝、葉っぱなど)
- 空き箱、紙コップ、牛乳パックなど廃材
構成遊びって言葉は知らなくても、みんなが知ってる遊びってわけね。
積み木
積み木はまさに構成遊びの代表的なおもちゃの一つ。構成遊びの中でも特に古くから親しまれています。
シンプルな形をしているので、独創的な発想が生まれやすいですよ。
乳児(0〜2歳)
- 積み重ねる:高く積み上げたり、横に並べたりするシンプルな遊びから始めます。
- 見立て遊び:積み木を車や動物などに見立てて遊びます。
幼児(3歳~)
- 建物を作る:お家、お城、ビルなど、具体的な建物をイメージして作ります。
- 道を作る:積み木を並べて道を作り、車や人形を走らせて遊びます。
- 模様を作る:積み木を並べて、幾何学的な模様や絵を作ります。
- ごっこ遊びと組み合わせる:積み木で作ったお家に人形を住まわせたり、お店に見立ててやり取りをしたりします。
- お友だちと協力して作る:複数人で協力して、大きな作品を作ります。
構成遊びの原点とも言える存在が、「幼稚園の父」とも呼ばれるドイツの教育学者フレーベルが考案した「恩物」。恩物の遊び方について詳しく解説した記事もありますので、ご覧ください。
知育ブロック
知育ブロックは、LEGOやDuploなどに代表される凹凸があるブロック。いくつかのブロックを組み合わせて、様々なものを作ります。
積み木と似ていますが、積み木より良い点も。
まず、凹凸や突起などの連結部分を持っているため、簡単に組み合わさること。構造的にはシンプルなので、子どもでも直感的に立体を組み立てられます。そしてある程度丈夫なものが作れます。
また、多様な形状なのもGood。立方体、直方体、円柱、その他複雑な形状のものが含まれています。これらを組み合わせることで、複雑な立体構造を作り出すことも可能です。
知育ブロックのおすすめ商品をまとめて解説した記事もありますので、あわせてご覧ください。
マグネット
マグネットのおもちゃも構成遊びに使われます。
ブロックはしっかりとした連結で安定した構造を作ることができますが、マグネットはより簡単に連結・取り外しができます。小さな子どもでも扱いやすく、ストレスなく構成遊びを楽しめますよ。
また、ホワイトボードや冷蔵庫などの垂直面にくっつけて遊ぶことができるのも良い点。床やテーブルの上だけでなく、空間全体を遊び場として活用できます。
壁面に作品を飾っておけるのでいいですよね。
ちなみに、薄いシート状のマグネットをハサミで切って、構成遊びおもちゃ「タングラム」を作ることもできます。タングラムパズルの手作り方法は、以下の記事をご覧ください。
おはじき
おはじきは、単なる遊び道具としてだけでなく、構成遊びの要素も持ち合わせています。
透明なもの、色がついたもの、模様が入ったものなど、様々な種類があります。
これらの違いを活かして、色分けしたり模様や絵を作ったり、様々な構成を楽しむことができますよ。
粘土
粘土は構成遊びとしての特性を持ちながら、感覚遊びや創作活動の要素も兼ね備えた万能な遊び道具です。
力を加えたり、形を変えたりすることで、様々な形を自由自在に作り出すことができます。
この自由度の高さが、構成遊びの面で大きな魅力となります。
<追記をお待ちください>
構成遊びのおもちゃについては、別の記事で取り上げる予定です。
折り紙
折り紙は紙を折るというシンプルな遊びですが、三角形、四角形、菱形など、折るうちに様々な図形に触れることができます。
複数の折り紙パーツを作り、それらを組み合わせて一つの作品を作ることで、より複雑な構成遊びを楽しむこともできます。例えば、花びらを複数作って花にしたりという感じです。
自然物(石、枝、葉っぱなど)
自然物(石、枝、葉っぱなど)も構成遊びに使えます。
石を並べて道を作ったり、枝を組み合わせて装飾したり。
自然界には様々な素材があり、それぞれの素材は、形、大きさ、重さ、質感、色などが異なります。これらの違いを五感を通して感じ取ることができます。
人工的なおもちゃとは異なる魅力があり、豊かな感性を育んでくれますよ。
「この石を組み合わせると動物になりそう」など、自分の頭の中に描いたイメージを形にすることで、創造力が育まれます。
空き箱、紙コップ、牛乳パックなど廃材
空き箱、紙コップ、牛乳パックなどの廃材は、構成遊びに有効活用できます。
切ったり、貼ったり、組み合わせたりと、加工がしやすいところが良い点です。
試行錯誤しながら自分のイメージを形にしていく過程で、工夫する力が養われますよ。
この廃材を使った構成遊びのやり方は、後ほど紹介しています。
構成遊びで身につく力
構成遊びでは、形作りをとおしてさまざまな力が身につきます。
- 形のちがいを認識する
- 想像力をやしなう
- 手先の器用さをやしなう
- 造形力をやしなう
形のちがいを認識する
構成遊びでは、●▲■(丸・三角・四角)などの基本の形を使うため、子どもにとって覚えやすく、形に対する認識が深まります。
くり返し遊ぶことで形が持つ特徴についてイメージできたり、空間認識能力のトレーニングにも効果的です。
また、大きい小さい、長い短いといった大小関係の理解、色や模様に対する理解などへも派生可能。
視覚的にものをとらえる力を自然に伸ばしてくれるんです。
想像力をやしなう
シンプルな形は色々なものに見立てがききます。
あらかじめ完成させたいものを想像しながら作っても良いですし、形を作るうちにイメージが膨らんで面白いものを作れたりもしますよ。
作品が完成したら、何ができたか聞いてみましょう。見立てて命名することは、想像力を豊かにします。
〇〇を作ってみよう! と声掛けをして取り組んでみても楽しいと思いますよ!
手先の器用さをやしなう
積み木を積んだり折り紙を折ることで器用さがアップします。
最初はすぐに積み木が崩れたり、折り紙をつぶしてしまうことはよくあること。
それでもくり返し遊ぶことで、自然と器用に遊べるようになるんですよね。
紙をのりで貼ったり道具を使うことも、器用さ向上に役立ちます。
もちろん紙を並べるだけでも、つまんだり狙った場所に置く動きを何度も行いますよね。
こうした積み重ねが手先の器用さを養ってくれますよ。
造形力をやしなう
構成遊びを続けると、最初はただ並べてみるだけだったものが、だんだん複雑な形を作ることもできるようになってきます。
頭の中に色々な組み合わせ方が蓄積されていくことで、様々なパターンを作れるようになるというわけ。
くり返し遊べるように、構成遊びの材料は取り出しやすいところに用意しておきましょう♪
▼我が家では、工作用品を工作ワゴンに収納しています。工作ワゴンに収納した実例は以下の記事をご覧ください。
構成遊びのアイディア【廃材】
ここでは、構成遊びの一種、「平面構成」を家にある廃材を使ってやるやり方をご紹介します。
廃材の平面構成のやり方
はさみの練習やおもちゃ作りをすると、けっこう紙が余りますよね。
我が家では、そのまま捨てちゃうのはもったいないので、構成遊び用に形を整えています。
余った紙を基本の形に切り取れば、すぐに構成遊びに役立てられます。
用意するもの
- 紙の端材
- のり(でんぷんのり)
切り取った●▲■(丸・三角・四角)などを用意。
形ごとに別の容器に入れておくと作品作りがしやすいです。
使う「のり」は、ボトルに入ったでんぷんのりがおすすめです。
指ですくって狙ったところにしっかりつけることができるため指先知育にもなりますし、保育園や幼稚園では定番のため慣れる意味でも良いですよ。
\定番中の定番のり/
遊び方
遊び方は、のりで台紙に思うさま貼り付けるだけ!
それだけでもう作品ができあがります。
マグネットボードを用意し、さまざまな形のマグネットを貼って遊んでも良いですね。
マグネットなら紙をただ並べるよりもしっかりくっつきますので、遊びやすいかと思います。
構成遊びができるパズル「タングラム」の作り方は以下の記事でご紹介しています。
平面構成の作品例
3歳児
お人形(土偶みたい)。作った後で意味づけしていました。
5歳児
街の風景。左上の信号機など、よくできています。
構成遊びで子どものチカラを伸ばそう
構成遊びは、モノの形を作って遊ぶことです。
構成遊びを繰り返すうちに、子どもはグングン伸びていきます。
遊ぶうちに新しい発想をすることも。ぜひアイディアを参考に、ご家庭や保育に活かしてみてくださいね!
▼構成遊びに向く市販のおもちゃ「himikuブロック」もおすすめ!
▼写真にもあるフエキのりのグルーバージョンが可愛かったので、こちらもご紹介しておきます。
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