


この記事では、モンテッソーリ教育とシュタイナー教育の特徴や大切にしていること、使う教材などを詳しく比較しています。
最近何かと話題になる、モンテッソーリ教育とシュタイナー教育!
世界的にも、2大教育法と言っても良いかもしれません。
でも、それぞれの教育法を説明することってできますか?
英才教育なの? なんだか難しそう……
お金持ちしかできないんじゃない?
なんて思うかもしれませんが、どちらも実はそういうものでもないんです。
それじゃあ、それぞれどんな特徴があるのかな?
というわけで、それぞれの特徴をまとめてみました!
▼モンテッソーリ教育はおうちでも取り入れやすい! おうちモンテのやり方をまとめた記事も参考にしてくださいね。
ベネッセ幼児教材公式アンバサダー/明治クラフトアンバサダー/Yahoo!をはじめとする各種メディアで執筆中/元教師
モンテッソーリ教育とシュタイナー教育、まずはどんな教育方法なのか見ていきましょう。
調べてみると、共通しているところもあれば全然違うところもありました。
それぞれの教育方法が成立した背景も大分違うので、なかなか面白いですよ!
どちらにも共通していることが、自由を大切にしていることです。
子どもが本来持っている成長する力を手助けする
モンテッソーリ教育の特徴
子どもの発達をとことん観察することが、モンテッソーリ教育の原点です。
我が子の今を見ることで、「この子はどんなことをしたいのかな?」というのがわかってきます。
子どもがやりたがること=今現在の発達に不可欠なこと、と考えるのね。
▼子どもが一つのことにこだわってやりたがる時期のことを「敏感期」といいます。敏感期別の対処の仕方については以下の記事をご覧ください。
子どもが今しようと思っていることをパパやママがサポートしてあげる、というのがキーワード。
子どもの自主性を引き出してあげることにつながっていきます。
全人教育で、自由な生き方ができる人間を育てる
シュタイナー教育の特徴
シュタイナー教育の目的は、自由な人間を育てること。
自由な人間って……なんだか難しいね?
自由といっても、自分勝手という意味ではありません。
これにより、21歳になった時には自分のすべきことが自分で決められる、バランスの良い人間になるとされています。
シュタイナー教育では、知的な学習を一つの芸術としてとらえています。
感情や意思に働きかける「芸術」にでは、ひとりひとりのまったく異なる個性が発揮されます。
芸術となった教育を行うことで、なにものにもとらわれない自由を獲得できるというのです。
また、シュタイナー教育では、大人になるまでの期間を7年ごとに分け、その時期ごとに重視するものを変えます。
0~7歳 | 「体」と「心(意思)」を育てることが重要な時期 |
8~14歳 | 「心(感情)」を育てることが重要な時期 |
15~21歳 | 「頭」を育てることが重要な時期 |
特に幼児期は「体」と「心」を育てる時期としています。
知的な学習を行う早期教育で、無理に脳を作り上げてはいけないとのこと。
まだこの時期の思考はぼんやりとしているからだそうです。
何かを教えるなら、わらべ歌をうたうとか、体を動かす体験をさせてあげるような方向性となります。
本格的に思考力(「あたま」)を育てるのは15歳以降(!)とのこと。
点数による評価もありません。
教育理念を比べてみると、どちらの教育も「子どもの自由」を重視していることがわかりました。
ただし、幼児期からの教育をするモンテッソーリに対し、シュタイナーでは早期教育は行いません。
モンテッソーリ教育の特徴
シュタイナー教育の特徴
親子のかかわり方は、かなり違いがはっきりと判るところです。
うちはどっちかな~
子ども・大人・環境が密に関係しています。
親はあくまでも環境を整えてあげて、サポートしてあげるかたち。
なるべくあれはダメ、これはダメ、としなくても良い環境を作ってあげる必要があります。
汚れたり散らかったりすると片づけが面倒、まだ小さいからダメ!
ダメダメばかりでは何事も自分からしない子になってしまいます。
なので、自由に遊ばせられるようにお部屋を整えましょう。
子どもの目線に立って……ってことね。
子ども自身はのびのびやらせてあげる印象です。
シュタイナー教育では、子どもは真似っこ(模倣)の達人としています。
だから親はそのお手本となるような立派な人でいなければなりません。
話し方やしぐさはもちろん、価値観や周りの人とどのように接しているか……。
すべてのことが模倣の対象になるんです。
たしかに、子どもって親のことをよく見ているわよね。
口ぐせがうつっちゃうから気を付けなきゃ~……
ちょっとハードル高いかも? でも大切なことですよね。
シュタイナー学校でも、一人の担任が9年間責任をもって子どもたちと深いつながりを保っていくそうですよ。
親子の関係はかなりちがいますね。
シュタイナー教育では、親は子どもの模範となるように努める必要があります。
模範になるような大人って、どんな教育法も関係なく目指していきたいところ!
ここではモンテッソーリ教育とシュタイナー教育の成り立ちを解説します。
どちらの教育方法も見出した人物の名前を取っており、1900年代の初期にスタートしました。
モンテッソーリ教育は、イタリア初の女性医師マリア・モンテッソーリ(1870年~1952年)が見出した子どもの教育方法です。
モンテッソーリは、もともと精神病院で知的障害児の教育に携わっていました。
その教育法が障害のある子どもにのみ限定されるものではないと、1907年にスラム街に建設したのが保育施設「子どもの家」。
彼女の考えた通り、「子どもの家」という整えられた環境に置かれた子どもたちは生き生きと活動を始めました。
こうして、モンテッソーリ教育は確立していったのです。
シュタイナー教育は、ドイツで哲学者、教育者として活躍したルドルフ・シュタイナー(1861年~1925年)が、子どもの体、心、魂の発達段階を考慮して見出した方法です。
シュタイナーが23歳のとき、ある家庭から水頭症の少年の家庭教師を依頼されました。
このときシュタイナーが行ったのが編み物などの手仕事をさせること。
この活動に集中した少年は、わずか1年半で水頭症の症状もなくなり、最終的に医者になったそう。
この経験から、1919年にドイツのシュトゥットガルトで教育施設「自由ヴァルドルフ学校」を設立しました。
知的な学習は教育のほんの一部と考え、手足を動かした芸術活動に重きを置いています。
どちらの教育法も、1900年代の初期にスタートしました。
モンテッソーリ教育の背景
医師が始めたということで、医学や生物学からのアプローチ
シュタイナー教育の背景
哲学者による芸術や精神面からのアプローチ
医師と哲学者によって考案されたということで、アプローチ方法がだいぶちがっています。
モンテッソーリ教育とシュタイナー教育がどんなものかつかめてきたでしょうか?
どちらもそれぞれ特徴的な考え方をしていましたよね!
それでは、具体的にはどんなことをしているのでしょうか。
最近では、それぞれの教育方法を取り入れた保育園や幼稚園なども続々と出てきています。
モンテッソーリ教育やってます! とか、シュタイナー教育やってます! というところでやっていることを紹介していきますね。
モンテッソーリ教育は、疑似的に大人のやっていることや、社会的な活動をさせている印象です。
おしごとの内容
日常生活のことをやるのが面白い!
自分の生活をスムーズにする練習になるわよね。
▼モンテッソーリ園で行う教育は、家でも取り入れることができます。いくつか載せますので参考にしてくださいね。
シュタイナー教育は、感受性を伸ばすことに重きを置いているようです。
おもちゃの棚には散歩で拾い上げた木の実や石がいっぱい。
工作や手芸に使って作品を作り上げます。
素敵なのが、「季節のテーブル」。
季節を表す色の布が敷かれ、季節を象徴するものが置かれます。
子どもと季節が結びつく手助けをしています。
使うおもちゃにもそれぞれ特徴があります。
モンテッソーリ教育で重要なのが、「モノ」という環境です。
その時々の発達に合わせてものを整備していくのがモンテッソーリスタイル。
もちろん子どもにあったサイズがキホンです◎
専門用語として、「用具」と「教具」という言葉があります。
日常生活の「用具」としては、次のようなものがあります。
成長を援助する「教具」の例はこちら。
教具は通販で取り扱っているものも多いです。
名前はむずかしいけど、おもちゃみたいだ~!
▼教具は身近にあるものや100均で簡単に作ることもできます。最近読んですごく良かった教具の本がこちら!
\大ベストセラー著者の教具本/
\100均で作る可愛い教具/
100均で作るモンテッソーリ教具の本は、個人的におすすめです。
必要な材料がわかっても、材料だけでけっこう高くつくことが……。
その点、100均ならそろえやすい!
装丁が美しく、解説も丁寧でわかりやすいのもポイント。Amazonの「Kindle Unlimited」読み放題で無料で読めるのでぜひ読んでみてくださいね。
▼教具の作り方を解説した記事もあります。こちらも参考にしてくださいね。
芸術に触れる遊びを大切にしているシュタイナー教育。
自然素材でできたものや、シンプルで子どもの感性に訴えかけるようなものを選びます。
いつも森で遊んでるものみた~い!
メルヒェン Yahoo!店 – Yahoo!ショッピングがシュタイナーおもちゃを取り扱っていますので、見てみてください。
シュタイナー教育でよく使われる「シュトックマーの蜜ろう粘土」は、透明感・におい・衛生的にすぐれた粘土。
うちでも愛用しているんですが、小さい写真しかなかったので、ぜひリンクページから見た目をご覧くださいね。
蜜ろうクレヨンも愛用中!
こちらも透明感が高く、とてもあざやかな絵が描けます。
シュタイナー教育を受けるつもりはなくても使ってほしい!
子どももお気に入りです!
プレイスカーフはマントやドレスにしたり、見立て遊びに使ったりできる布。
うちでもシュタイナーおもちゃ専門店で買った布がいくつかあります。
下のアマビエのディスプレイにも使っていますよ。
自然素材や素朴な見た目のモノが多いので、ディスプレイはしやすいと思います。
お花屋さんで選んだ季節の花を飾るだけでも教育になりますよ。
ここでは、それぞれの教育を受けた有名人をご紹介します。
ラリー・ペイジは、Googleの成功について次のように語っています。
You can’t understand Google unless you know that both Larry and Sergey were Montessori kid,
『ラリーもセルゲイもモンテッソーリ教育で育った子どもだったことを知らなければ、Googleを理解することはできない』
二人は問題解決の方法をモンテッソーリ教育から培ったとのこと。
発想力や挑戦する力が育まれたと言っていいのではないでしょうか。
ひよこクラブ2019年3月号に、斎藤工さんのインタビューが載っていました。
子どもの頃はマクロビ食でおやつは玄米パンと煮干しだったそう。
中学生になって初めてポテトチップスを食べたときの衝撃はすごかったみたいです!
小学6年生のときに転校したそうなのですが、それでも卒業後の人生において必要な生き方の基礎を学ぶことができたとおっしゃっています。
シュタイナー教育をベースとして、自分の本音というか、自分にしかない自分が強く組み込まれると、どんな道に向かっても未来を彩り豊かに歩んでいけるのではないかと思います。
卒業生インタビュー ◎ 斎藤工さん(2期生) | 学校法人シュタイナー学園
村上虹郎さんのご両親は、モデルの村上淳さんと歌手のUAさん。
芸能一家のご出身ですね!
村上さんはドラマ『あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない。』で主演をつとめられていました。
存在感がある素敵な俳優さんです。
ドラマを観て気になり、すぐお名前をググりました!
かっこいい!
調べてみて、モンテッソーリ教育はけっこう真似できそうなところが多い印象でした。
うまく「自分で育つ環境を用意してあげる」ということがベースなので、最初のハードルは低めかと思います。
色々とグッズも売っていたり作れるので、お試しでやってみると良いのでは♪
当サイトでもおうちでモンテッソーリ教育(風)ができる「おうちモンテ」のやり方を色々とご紹介しています。
ただし、自由にやらせてあげる教育方針だからと言って、何をしても止めないということではないので注意が必要です。
買い物のときに勝手にお店のお菓子を開けて食べようとしていたら、もちろん止めますよね。
本当にやってはいけないことは、しっかり注意したり叱ったりしてあげることも忘れないようにしましょう。
一方、シュタイナー教育はなかなか現代日本では取り入れづらい部分もあります。
例えば「文字を教えるのは小学校に入るまで不要!」というような考え方もあるとか。
さすがに今の時代、親としてそうするのは少々不安なので……。
自然と触れ合うとか、大人が見本になってあげるというところは非常に良いと思います!
あまりに過激な自然派となってしまうと現代社会で生きていくのは大変なので、そういった思想に関してはそれぞれの家で本当に真剣に考えることをおすすめします。
どちらの教育方法も、良いところがたくさんあります。
なので、ルールにとらわれないで自分の家に取り入れやすいところを取り入れましょう!
どちらの教育方法でも大切なのは我が子を見ること。
どんな風にしたら子どもが良く育ってくれそうか見極めながら、やっていくことが大切ですね♪
▼もっと知りたい方は書籍もおすすめです。私が読んで分かりやすかった書籍を紹介します。
▼上記のモンテッソーリ本が、Amazonの「Kindle Unlimited」で無料で丸ごと読めます!
<参考文献>
Google honors Maria Montessori, whose teaching methods were used to educate both Google founders – 9to5Google
この記事が気に入ったら
フォローしてね!
コメント