子どもが一つのことにこだわったり、いつも同じ場所や順番でないととてつもなく嫌がるとき。
もしかしたら、モンテッソーリ教育でいう「敏感期」かもしれません。
この敏感期を知ることで、子どもがする行動の理由がよく見えるようになって、子育てにもゆとりが出てくるようになりますよ!
ちいくまま
この記事では、モンテッソーリ教育の敏感期について、どんなものかを解説。
敏感期を子供の成長に活かすための、おうちでできる子育てのヒントについても月齢別にまとめています。
Contents
モンテッソーリ教育の敏感期とはどんなもの?
モンテッソーリ教育は、イタリアの女性医師マリア・モンテッソーリによって構築された教育法です。
マリアは知的トラブルを抱えた子どもたちの治療教育の経験から、子どもの集中する力を発見しました。
子どもたちの好奇心を観察し、それに応える環境や教具を準備したところ、大人の常識では考えられない姿を見せたといいます。
幼少期は周りの環境と関わり合いながら将来にわたって必要な力を得ようとする時期。
そして環境の中から、今自分はどんな能力を伸ばせばよいのか、必要な要素を探すための感受性が豊かになっている時期があります。
この「自分を伸ばそうとしてひとつのことに夢中になる時期」のことを敏感期と呼びます。
3歳くらいまでは手指を使ってみたいという衝動に駆られる「運動の敏感期」にあります。
ファスナーを開け閉めするのは、“今自分はつまみを引っ張る練習をしなければならない!”という課題をこなしている最中だったのです。
敏感期にはどんなものがある?種類を表で解説
敏感期は、子どもが「成長したい!」とひとつのことに夢中になる時期ということが分かりました。
成長に従って内面の変化があり、夢中になる対象も変わりますので、敏感期の形も変わってきます。
ここでは、7つの種類を表でご紹介します。
※書籍によっては、もっとざっくりまとめたもの、細かく分けたものがあります。
敏感期の種類
- 秩序
- 運動
- 言語
- 文字
- 数
- 感覚
- 文化と礼儀
秩序の敏感期
順番・場所・習慣や所有物にこだわりがある時期。
ちいくまま
運動の敏感期
生活に必要な運動能力を獲得しようとする時期。
自分の意志で体を動かせるようになるように練習しています。
行動のあらわれとしては、「いたずら」があります。
ちいくまちゃん
大人になるためにぼくたち必要なことなんだよ!
この時期に必要な運動を獲得していると、その後より複雑な運動にチャレンジしたいという意欲にも繋がってきます。

言語の敏感期
母国語をどんどん吸収する時期。
赤ちゃんはお腹の中にいるときからママやパパの声を聞いて過ごし、3歳くらいで言語活動が活発になってきます。
聞くのも話すのも楽しめます。
ちいくまま

文字の敏感期
あるとき、“自分の周りには文字があふれている!”ということに気が付きます。
文字の敏感期は読みと書きに分かれます。
読みは4歳~5歳半くらい
書きの敏感期は読みよりも早くやってきます。
絵と一緒に文字のような図形を描いたりも。
手指を動かしたい「運動の敏感期」とも重なるので、自分で書いてみたいと思うのですね。
読みの敏感期はそれよりも遅くやってきます。
色んな字を壁に貼っておいたり、絵本を手の届くところに置いておくと、自ら読み始めます。
数の敏感期
数も文字と同じように日常生活にあふれているもの。
数字を数えたり、読み上げたりするのにハマるのが数の敏感期です。
ちいくまま
ちいくまちゃん
感覚の敏感期
五感が洗練される時期。
0歳からさまざまなことを感じて過ごしてきた赤ちゃん。
それまでに吸収した膨大な情報を頭の中で整理し始めます。
3歳くらいになると、視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚という特徴に従って区別していきます。
例えば、おもちゃのブロックを色ごとにまとめたり、大きさ順に並べたり(視覚)。
すべすべの石とゴツゴツした石の感触の違いを楽しんだり(触覚)。
この経験をたっぷりすることで、将来も秩序だって物事を考えられるようになります。
文化と礼儀の敏感期
もっと世の中を知りたい! と思う時期。
同時に社会性が芽生えてきます。
日常のあいさつや季節の行事などにも興味津々。
お子さんごとに興味の方向が変わってくるので、図鑑や絵本を使って好奇心に付き合ってあげてくださいね。
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敏感期の子どもへの接し方は?
敏感期の子どもはこだわりが強く、何でも「自分でやる!」の一点張りになることも。
ちいくまま
ポイントは、6つあります。
- 自分でやりたがることはやらせる
- サイズが合ったものを与える
- できることを日課に取り入れていく
- 邪魔をせず見守る
- 選ばせる
- やり方はゆっくりした動作で見せる
自分でやりたがることはやらせる
自分のことは自分でやりたがる子どもに、チャレンジする機会を与えてあげましょう。
うまくできないからと大人がしてあげるばかりでは、将来自分で何もしない子になってしまいます。
やりたがるならやらせてみましょう。
うまくできる工夫もしてあげられると良いですね。
我が家では生後10ヶ月くらいから娘が自分で靴下を履きたがったのですが、もちろんうまく履けません。
そこで大人用のスニーカーソックスを与えたところ、履くことができました!
▼こちらは11ヶ月の時です。靴下を履く練習中!
簡単に脱ぎ着できるので、嬉しそうに何度もチャレンジしています。
サイズが合ったものを与える
サイズが大きすぎる道具も大人の手を借りなくてはならないので、うまくできません。
道具が自分に合ったサイズのものだと扱いやすく、上達します。
100均でミニサイズのホウキなどが調達できるので、お子さんと一緒にチェックしてみるのも楽しいですね♪
できることを日課に取り入れていく
敏感期は、お手伝いもしたがります。
大人のお手伝いをすることで、家族の一員だと認めてもらえる気持ちになるのです。
食べ物を運ぶ、お皿を並べるといった、子どもがやりたがるお手伝いをさせてみてください。
1歳になったうちの娘は、洗濯物を干すためにカゴから取り出すお手伝いが大好きです。
ちいくまちゃん
邪魔をせず見守る
何かに夢中になっているときは、やり遂げるのをじっくり見守りましょう。
そのうち何にハマっているのかが分かるようになり、興味をひくものを与えてあげることができるようになります。
選ばせる
あわただしい朝に、ママが選んだ服を嫌がって着ない!
子育てあるあるだと思います。
そんなとき、2パターン用意してどちらが良いか選ばせるようにすると選んでくれることが。
自分で選んだという満足感が嬉しいみたいですね。
やり方はゆっくりした動作で見せる
子どもがうまくできないとき、言葉と動作で一生懸命に伝えようとしてしまうことがあると思います。
モンテッソーリ教育では、原則として言葉と動作を一緒にして教えることはしません。
ひとつの動作をゆっくり見せ、他のものは気が散らないように片付けます。
ちいくまま
この繰り返しで、子どもは徐々に動作を覚えていきます。
子育てあるあるの悩みと、どう対応すれば良いかがわかりやすくまとまっています。
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敏感期を逃してしまったらどうする?
敏感期は、0歳で始まって、6歳くらいまでには消えてしまいます。
マリア・モンテッソーリ曰わく「敏感期を逃すことは終バスに乗り遅れるようなもの」。
敏感期が終わると自分でやりたいという衝動がなくなってしまうそうです。
最近は「ひねる動作」をする機会が減っていることから、コマをうまく回せない子どもが増えているそうですよね。
ただ、長い生涯、何度でもやり直しはききます。
敏感期を逃してしまっても、今お子さんが夢中なことを見つけようとする心構えでいることが大切です。
子どもも、自分が見守られていることを感じると受け入れられた喜びを得ます。
すると、内面にある力が出てきます。
それをチャンスと捉え、夢中なことに取り組める状況を作りましょう。
モンテッソーリ教育の敏感期を知って子育てに生かそう
子どものこだわりや思いがけない行動には、どうしてもイライラして手出し口出ししてしまいますよね。
でも、敏感期を知ると「今がその時期だ!」と分かって子どもとの生活が興味深いものになります。
いたずらや気まぐれも成長のための大切なお仕事。
手や口を出すのをぐっと我慢をして、子どもがひとりでできることを手伝うことが大切です。
自立への第一歩を見守ってあげましょう!
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