



今話題の教育法「モンテッソーリ教育」。子どもの自立心を育て、可能性を最大限に引き出すこの教育法は、一緒に過ごす毎日をより豊かで意義あるものにします。
この記事では「おうちモンテッソーリ(おうちモンテ)」というコンセプトを共有しています。
それは、家庭環境でモンテッソーリ教育を取り入れ、子どもの成長をうながすための手法です。
高価な教材は必要ありません。手作りの教具や、日々の生活環境を活用することで、モンテッソーリ教育はすんなりと溶け込むはず!
私は知育玩具クリエイター@charmytoko として活動しており、手作り教具レシピをモンテッソーリ教育本に提供したりもしています。ですので、特に手作り教具の作り方は力を入れてご紹介しています。
皆さまから大人気♪
モビールの型紙も無料配布していますので、ご活用ください。
ぜひ一緒に、無理なく「おうちモンテ」を始めましょう!
新たな発見と笑顔あふれる日々が待っていますよ。
モンテッソーリ教育とは? どんな教育を目指す?
まずはざっくりこの点について解説します。
ひとことでいうと、
子どもの「自発性」「主体性」を重視し、子どもが自ら学び成長する力を育む教育法
自発性? 主体性?
もっと詳しくおしえて~!
モンテッソーリ教育は、20世紀初めにイタリアの精神科医マリア・モンテッソーリ(1870~1952)が構築した教育法です。
彼女はイタリアで医学博士号を取得した最初の女性でした。
モンテッソーリは、知的障害児の治療教育の過程で子どもの集中する力を発見。
子どもには生まれながらに学ぶ力があり、その力を最大限に引き出すためには、子どもの興味や発達段階に応じた環境を整え、子どもが自ら学ぶことを促すことが重要であると主張しました。
子どもが自身の力を健やかに発揮できるよう、適切な環境を用意し援助してあげることがモンテッソーリ教育の目的です。
▼モンテッソーリ教育についてさらに詳しく知りたい方は、モンテッソーリとシュタイナーを徹底比較した記事もご覧ください。
モンテッソーリ教育をおうちで実践したいと思っても、ハードルが高そうで腰が上がらない……となる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
でも意外と私たちにもできるんです。
モンテッソーリ教育の目的「環境を整えて子どもが自ら学ぶ機会を用意する」のであれば、家庭がもっとも適した場所ですし、パパママにもできそうではないですか?
私はモンテッソーリ幼児教室やモンテッソーリ幼稚園をいくつかまわって体験しましたが、教具棚の整え方や教具は個人でも取り入れられそうなものでした。
もちろん、先生には専門知識はかないませんし、観察眼も雲泥の差がありそう。
でも、仕組みを参考におうちを整えることはできます!
まずは気軽に始めてみるのをおすすめします。
スタート時期は、生まれたときから始めることも、それより早く始めることもできます。
そして、始めるのに早すぎるということはありませんが、遅すぎるということもありません。
子どもに対する話し方や行動を意識してみたり、家の中にアクセスしやすい場所を設けたり、モンテ的なアクティビティを取り入れたりすることは、何歳からでも始めることができます。
おうちで子どもを見守りながらその成長に気づけるって、こんなにうれしいことはありませんよね。
モンテッソーリ教育の目標は「子どもが自ら学び成長する力を育み、自立している有能な人間を育てる」ことです。
であれば、園でも家庭でも目標は同じですよね。
ちがうところはというと、環境やお仕事の内容です。
そもそも場所がちがうもんね!
例えばピンクタワーや円柱さしのような特別な教具が用意されているのが園。おうちではなかなかできない教具に触れることができますね。
また、それぞれの園によって定められたルールの中で生活します。先生も訓練されています。
一方、おうちでは生活そのものがお仕事になります。
例えばピッチャーを使ってコップに水を注ぐ「あけうつし」のお仕事は、日常生活と結びついています。
親も子供と一緒に生活をしているので、日常生活の中で子どもを伸ばすことが大切になってきます。
そうなると、用意すべき環境やお仕事の内容は必然的に変わってくるのです。
それでは、おうちでモンテッソーリ教育を始めるためのステップを見てみましょう。
まず本で知識を得ることから始め、次に子どもが自発的に学びや活動を行えるような環境を整えることが大切です。
今回はその具体的な方法を紹介します。
おうちでモンテッソーリ教育を始めようと思ったら、まず書籍は手に入れた方が良いです。
ネット上の知識は断片的で表面上になりがちなのと、我が子に特化したものではないから。
本の方が体系的に知識がまとまっており、気になったときに参照するのにも役立ちます。
モンテッソーリ教師が書いた信頼できる本を一冊持っておくと良いですよ。
いつでも見返して基本に立ち返ることができる、それが本のいいところだよね!
▼モンテッソーリ教育入門書の人気・おすすめをまとめた記事があるので、よろしければご覧ください。
まずは図書館にモンテ本があるか調べてみるのも良いですね。
最近モンテッソーリ教育が世間で注目されていることもあり、納入する図書館が増えています。
また余裕があれば、マリア・モンテッソーリの著作を読むことをおすすめします。
正しい方向へ導いてくれるだけでなく、モンテッソーリがどのように始まったのか、なぜ始まったのか、そして世界中でどう役立っているか、モンテッソーリの真髄を掘り下げてくれますよ。
モンテッソーリ教育の基礎となるのは、準備された環境です。
The environment must be rich in motives which lend interest to activity and invite the child to conduct his own experiences.
MARIA MONTESSORI
「環境は、活動に興味を持たせ、子どもが自ら経験をするよう誘うな動機に富んでいなければなりません。」
ただしおうちモンテは自宅で行うもの。園のように特別な環境やものはそろえにくいですし、日常生活にも支障がないようにしなければなりません。
ここでは、子どもが自分でできるサポートをするという視点が大切です。
そのうえで環境づくりに役立つものを参考としてご紹介します。
おうちモンテッソーリをやるとなったら、教具棚を用意したいところ。
棚の効果って本当にすごい!
教具が棚に整然と並んでいると、子どもがやりたい活動を自分で選んで、心行くまで没頭できます。
もっとやりたい! という意欲がどんどんわいてくるのを実感。
教具は何が置いてあるのかが一瞥できるように、ゆったりと置くことが鉄則とされています。そのため、教具棚も必然的に大きめに……
ただ日本の家屋は海外に比べて狭いですし、我が家も例にもれずそう。
なので、ご家庭にあったサイズ感のものを選んで設置することになります。
我が家では、フレキシブルに組み替えてどこでも使える、無印良品のラックを収納に使っています。
赤ちゃんのときは、ベルメゾンで購入した小さめの棚をおもちゃ置きにしていました。
見て手を伸ばせるサイズ感が大切です。
以下の記事では、日本で教具棚としてよく使われる定番品から、代用品、パパママのDIY棚まで皆さんの教具棚を紹介しています。ぜひ参考になさってくださいね。
さらに、トレー(トレイ)も用意します。
モンテッソーリ教具棚の写真を見ていただくとわかるのですが、トレーがよく使われていますよね。
トレーがどんなふうに役立つか、その良さはモンテッソーリのトレーを解説した記事にまとめました。
今、やりたい! という子どものホットな気持ちのままに、楽しく活動してもらうのに一役買っています。
シール貼りのお仕事といった細々したものを使うアクティビティも、トレイにまとめればすぐに取り組めます◎
我が家で主に使っているのは、ボヌールの木製トレーです。
小サイズにはお得なセット品もあるので、複数手に入れておくとよいと思います。
また最近発売された中では日本人のモンテパパ&ママが開発したモンテ専用トレーもおすすめです。
巷では「モンテッソーリ式絵本棚」と呼ばれる絵本棚があるそうです。
なんじゃそりゃ~と私も知らなかったのですが、要はモンテッソーリ教育法に基づいた絵本の収納方法で、子どもが自分で絵本を選び、整理することができるようにデザインされている絵本棚を指します。
一般的なモンテッソーリ式絵本棚は、絵本の表紙が見やすいように前向きに本を置くことができる棚になっています。
それにより自分が読みたい本をすぐに見つけ、選ぶことができます。
また、棚は子供の身長に合わせて低く設計されているのが一般的で、子ども自ら本を取ったり、片付けたりすることを促します。
これはモンテッソーリ教育の基本的な考え方、つまり子どもの「自発性」「主体性」を育てることを反映しています。
教具棚と同様、必ずしも用意しなくて大丈夫ですが、メリットが多いため、一考の余地ありです!
我が家では、0歳~2歳くらいの絵本は、手作りの表紙が見える絵本棚に収納していました。
赤ちゃんの時期だけ使って、ある程度大きくなれば普通の絵本棚、という移行の仕方でもよいと思います。
子どもは手指を使いたいと思ったら身の回りの物から対象物を探します。
ただ、勝手に使われたら困るものってけっこうありますよね。
そこで、代替品としての「教具」が登場するわけです。
教具はもともと一つのことに特化して繰り返しできるようにしたものです。
おうちモンテでは、日常生活でできることを増やすという視点で取り入れていくとよいと思います。
教具は工夫すれば手作りも可能。当サイトではおもちゃ作りを仕事にしているママが、写真付きで詳しく作り方を紹介しています。
今後年齢別や敏感期別にまとめていくので、ぜひ参考になさってください。
一方で教具の用意って、実はけっこう大変なんですよね。
活動内容の選択⇒理解⇒入手⇒事前練習(お手本)⇒設置⇒入れ替え……と、準備に時間がかかるんです。
極論、一つのことに特化していて満足いくまで繰り返しできる活動がなにかあれば、教具を使わなくても大丈夫ですよ。
最近では「トイサブ!」に代表されるおもちゃサブスクもモンテッソーリ教具を扱うところが増えてきています。
型はめパズルや動物フィギュアなど、モンテッソーリ教具の代用になるものもリクエストできますよ。
上質な木のおもちゃに特化したサービスも出ているので、こちらもチェックしてみてください。
▼おもちゃサブスクでモンテッソーリが借りられるところまとめ
▼おもちゃサブスク最大手で安心な「トイサブ(toysub)」は国際モンテッソーリ教育協会認定の教具もあります。
▼海外のモンテッソーリアンに人気の木のおもちゃが多い「IKUPLE(イクプル)」
また、当サイト「オウチーク!」では、道具を使わない乳幼児向けアクティビティも紹介しています。
子どもがアート好きなので、そちらの方面の投稿も多いです。
工作や絵画のネタがほしい……という方はぜひまたのぞいてみてくださいね。
おうちモンテについての最新記事は以下にあります。
皆さんも良いおうちモンテライフを~♪